ワークフローとは何ができるツール?クラウドサービスで申請、承認業務を電子化して管理できる

導入システム

ワークフローとは
ワークフローは、組織内の業務の一連の作業の流れを効率的に管理するためのシステムです。これにより、業務効率化や作業プロセスの可視化、一貫性の確保などが実現されます。ワークフローの主な機能や導入メリットなど特徴や利点を紹介します。

  【目次】
1.ワークフローとは
 1-1 一連の業務の流れをシステム化
 1-2 承認プロセスの管理
2.ワークフロー導入のメリット
 2-1 ペーパーレス化
  ①コストの削減
  ②働き方の多様化
  ③SDGsなどの社会貢献
 2-2 業務効率化
  ①業務の可視化
  ②業務の迅速化、意思決定までもが早い
3.ワークフロー導入のデメリット
 3-1 システム利用コスト
 3-2 人事異動や組織変更への対応
 3-3 システム依存とトラブルシューティング
4.ワークフロー選択のポイント
 4-1 コスト
 4-2 承認ルートの変更
 4-3 データ活用
 4-4 サポート
5.まとめ

1.ワークフローとは

1-1 一連の業務の流れをシステム化

ワークフローシステムは、定型的な作業の流れをシステム化できます。このシステム化により、一連の作業内容や流れが標準化され、生産性の向上とヒューマンエラーの軽減が期待できます。

下記は購買品の申請から納品・補充するまでの流れをまとめたサンプルです。

業務の流れを整理(例:消耗品購入の流れ)

1-2 承認プロセスの管理

ワークフローシステムは、申請・承認プロセスを効率的に管理できます。権限や規則に基づいて自動的に承認者にルーティングされるため、迅速な判断が可能です。承認プロセスの透明性が向上し、業務や作業の進行状況を可視化し、作業の状況を容易に把握し、調整できます。

下記は購買申請の流れに「承認ルート」と「承認・確認者」を示した図になります。承認、決裁では申請者に差し戻し(却下)することができます。決裁後は、各確認者が各作業を行う流れになります。

承認プロセスの承認者と承認ルート(例:消耗品購入の流れ)

1-3 データの活用

システム化によりデータの有効活用が可能になります。紙資料と比較して、容易な検索が行えるため、検索時間の短縮だけでなく、データの集計・分析も容易になります。さらに、データの再利用が可能なため、類似の業務申請を引用することで申請業務の効率化に寄与します。

ワークフローの導入により、業務の効率化、承認プロセスの迅速化、業務・作業状況の透明化などの効果が期待されます。組織内の業務プロセスの改善と効率化を図るために、ワークフローの導入を検討することが重要です。

2.ワークフロー導入のメリット

2-1 ペーパーレス化

ペーパーレス化とは、これまで紙で運用していた業務を電子化することです。この電子化によるメリットについてご紹介します。

①コストの削減

紙を電子化することで、印刷に掛かる用紙代やトナー代の経費が削減できます。印刷物が減ることで印刷機器(コピー機やプリンター)の台数も減らすことができれば、機器の使用料、保守料なども削減できます。
また、紙資料が多くなると保管のためのキャビネットや保管スペースが必要になりますが、これらも減らすことができれば、保管費用の削減や事務所のスペースを有効活用することができます。

②働き方の多様化

ワークフローで業務がシステム化され、データが電子化されることで、クラウドサービスを活用し、いつでもどこでも情報を活用できます。このシステムは在宅勤務やテレワークなどの多様な働き方に対応しており、業務の多様化が可能です。
また、客先対応や出張中でも利用できるため、業務を迅速化し、移動時間なども有効に活用することができ、業務の効率化につながります。

③SDGsなどの社会貢献

ペーパーレス化により紙資源を削減することは、森林資源の保護やゴミの削減につながり、企業のSDGsへの取り組みとして社会貢献になります。このような活動の積み重ねが企業のイメージアップにもなります。

2-2 業務効率化

①業務の可視化

従来の紙の申請プロセスでは、1人ずつ回覧するために多くの時間がかかり、また稟議の進捗状況を把握するのが難しく、催促を行う際にも申請書がどこにあるか分からない、という問題が発生していました。

一方、ワークフローを用いると、稟議状況を一目で把握でき、申請を並行して回覧したり、緊急の場合には引上げ決裁を行うことも可能です。さらに、電子化された決裁データは迅速な検索が行え、情報を迅速に活用できます。

②業務の迅速化、意思決定までもが早い

ワークフローを利用することで、業務の迅速化が図られます。さらに、稟議中に追加の確認事項や補足事項が発生した場合、ワークフローのコメント機能を駆使して即座に情報共有できます。この機能を使えば、すでに関係者が確認済みの状態でも同時に情報を共有でき、必要に応じて即座かつ詳細な対応が可能です。

従来の紙の申請プロセスでは、追記や補足事項のために煩雑な手続きが必要でしたが、ワークフローを導入することでこれらの手間を省くことができます。結果として、意思決定までもが速やかに行える環境を整えることができ、より迅速かつ効率的な申請業務を実現できます。

3.ワークフロー導入のデメリット

3-1 システム利用コスト

ワークフローシステムを利用するためのコストが発生します。クラウドサービスを利用することで初期システム構築費用や運用費用を削減できます。
また、従業員のトレーニングや移行期間にかかる時間も考慮する必要があります。

3-2 人事異動や組織変更への対応

人事異動や組織変更などにより、ワークフローのシステム設定変更が円滑に行えるように設計することが重要です。承認者やフローを組織や役職などで特定しておくことで、人事異動が発生してもワークフローシステムでの変更を最小限に抑える設定が必要です。さらに、こうした柔軟な対応が可能なサービスを選択することも肝要です。

3-3 システム依存とトラブルシューティング

ワークフローが業務の中核となると、システムへの依存度が増します。この場合、システムや通信障害が発生すると、業務全体に影響を及ぼす可能性があります。クラウドサービスを利用することで安定したサービスを得られる一方で、事前に稼働実績を確認することも重要です。

4.ワークフロー選択のポイント

これまで紹介したように、ワークフローは、承認業務だけでなくプロセスの見える化による業務効率化に役立つシステムです。ワークフローをプロセス管理に活用すると幅広い業務で利用できるため、利用範囲を検討の上、システム選定することをお勧めします。

4-1 コスト

目的を明確にし、目的達成に最適なサービスを選択するためには、サービスの利用目的を明確にすることが重要です。リーズナブルなサービスを選ぶことも大切ですが、必要な機能が不足していたり、高機能なサービスでも使用しない機能があると、無駄な時間が生じる可能性があります。そのため、目的に合ったシステムであることを確認した上で、コスト面を考慮して判断することが重要です。

4-2 承認ルートの変更

人事異動や組織変更にも関わらず、承認ルートを容易にメンテナンスできることが重要です。このような変更があっても、影響が最小限に抑えられる設定が可能なサービスを選ぶことが肝要です。

4-3 データ活用

承認業務で決裁されたデータは、業務効率化に役立つ可能性があります。データを幅広く活用する場合は、柔軟で多様なデータ活用が可能なシステムを選択することが重要です。

4-4 サポート

ワークフローの活用方法は企業によって異なるため、自社での活用に不安がある場合は、適切な効果を得るためにサポートを委託することを検討するのも一つの方法です。

5.まとめ

ワークフローは、業務の申請と承認を効率化するツールです。クラウドサービスを利用し、従来の紙ベースの申請業務を電子化し、効率的に管理できます。
タスクの割り当てや自動通知、承認プロセスの管理を容易にし、作業フローを視覚化します。これにより、業務プロセスが迅速化され、透明性が向上します。

ワークフローは、企業の業務を効率的に遂行するための強力なツールであり、クラウドサービスを通じて柔軟かつ効果的な申請と承認のプロセスを提供します。

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